今回は、以前「銀座で art‼︎」の記事の中でレトロなエレベーターのお話を載せたんですがその時、「
さぶたんくう」のnatuさんから聞いた本をご紹介します。
この物語は、ロッテンという11歳の女の子が主人公。
ロッテンは、ママが上流家庭の家の住み込みのお手伝いさんに雇われたので一緒にそこで暮らすことになります。
ご主人様の住まいは、エレベーターがある立派な建物の4階です。
憧れのエレベーターで昇った上の世界の人々の暮らしは……さてさて⁈
☆〜〜〜〜〜〜ここで主な登場人物をご紹介〜〜〜〜〜〜☆
〔ロッテン〕いつも楽しげで明るく素直な子と周りからみられている。 でも時々、ママに反抗的になってしまう。密かに友達になったマリオンに振り回されて、助けだしたと言う猫のロシータを夜中に毎晩預かるはめに…。
〔ロッテンのママ=エルサ〕若い時に両親をなくし父方の祖母に育てられた。心配性で いつも人に気を配っている。責任感がある。子供をきちんと育てなければと思っている。
〔ロッテンのおばあちゃん〕亡くなっていて、時々ロッテンの夢に出てきたりする。優しいおばあちゃんは人形を作ってくれた(ウィルマ=ボロボロになっているがロッテンの大切な人形)
〔ダンケ氏〕この家のご主人。口数すくなく、静かで冷たい感じのする人。マリオンが左手で食事をするのを嫌う。
〔オルガ〕この家の奥様。ちょっと変わっている。大きな子供のような人。ロッテンにとって憧れの存在。ロッテンにオルガと呼ばせる。悲しい過去があるらしく時々鬱いだり夜中に泣いている事がある。
〔マリオン〕この家のお嬢様。黒髪の静かな食の細い女の子。マイペースで何かと問題を起こしロッテンを巻き込む。地下室にいたオレンジ色の子猫にロシータと名前をつけて大人達に見つからないように。仲間でしょ!という言葉でロッテンやヤルマルに協力を求める。
〔ルーツ〕この家の使用人頭。穏やかで見た目も優雅で上品。仕事も確かで人格者。何かとロッテン親子をきにかけてくれる。
〔ロシータ〕マリオンが地下室から助けだした(?)というオレンジ色で緑の瞳をした猫。マリオンは自分の猫だと言う。
〔ヤルマル〕向かいの窓から見える男の子。ロシータをかくまうのに手伝わされるはめになる。ロッテンにとっても気になる存在。
〔ダビドとダニエル〕マリオンの幼い弟たち。
〔ラーション家の夫婦〕ロッテン親子が以前住んでいた家の家主。おじさんは無関心を装う人。おばさんはロッテンの事を悪い子だと吹聴してまわる意地悪な人。
☆〜〜〜上記の人々が繰り広げるストーリー〜〜〜☆
1930年代のスウェーデンの上流家庭を舞台にしたお話ですが、人間模様は今の時代にも共通していると思います。ちょうど、思春期に入る娘の深層世界や、しっかり育てなければと必死になっている母親の思いなどが混然として表現されています。
この主人公と同じ年齢の頃の忘れていた自分を思い出させてくれる、そんな本でもあります。
また、ミステリアスな感じでストーリーが進んでいくところがワクワクしてきます。
ただ、この本は絶版になっているので図書館での貸し出しになります。
機会がありましたら手に取ってみてはいかがですか。^ ^)
追記: マリア=グリーペはこの「エレベーターで4階へ」のメッセージを基盤として話を展開させ、この物語に加え、「わたしだけの部屋」(1992年刊)と、「それぞれの世界」(1994年刊)を書き、3分作としてまとめています。
(*なので、これらの本も読んでみたくなってきましたぞ〜!^o^)
裏表紙のイラストです * マリア=グリーペの本の挿絵は、全て画家であるご主人のハロルド=グリーペが描いています。
《追記》
「自分の部屋があったら」